菌と圧力
海の平均深度は平均3800m、マリアナ海溝では10000m。
圧力で言うと380気圧と1000気圧だ。
菌の由来は詳しく知らないが、
菌が太古の昔に生育していた環境の外圧が高かったのではないだろうか。
なぜなら、厚い細胞壁をもつブドウ球菌などの内圧は20~30気圧だからだ。
太古のブドウ球菌の生育環境は、200m~300m程度の地下や水中だったのだろうか。
菌が圧力環境を体内に宿すのは、人間が体内に海を宿すのと似ていると思う。
さて、ペニシリン系やセフェム系といった抗菌薬の作用は、菌の細胞壁合成阻害だ。
つまり、菌に穴をあけるだけだ。
たったこれだけで菌が死ぬのだろうか?と感じるが、圧力を考えると納得しやすい。
勿論、実際には圧力のみで語れるような単純な話ではないようだが、
イメージ的には、はちきれそうな風船を針でつついたらどうなるか?という感じなのである。